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200037
Vol.19 No.3

緩和ケア 2009年5月号

いかに精神症状に対応するか―適応障害とうつ病を中心に

 がん対策基本法の成立とともに,がん医療においては早期から緩和ケアを導入することが医療者の義務とされている.痛みや悪心・嘔吐などの症状に対する緩和的アプローチは著しく進歩した.オピオイドをはじめ多くの薬剤が治療に導入され,薬物療法も進歩した.
 このように,身体面に対する緩和ケアは数年前に比較すると格段の進歩を遂げている.これに対して緩和ケアの分野における精神症状への対応はいかなるものであろうか.
 がん患者の調査では,2 割から4 割の患者に治療的な介入の必要な不安・抑うつの生じることが知られている.精神症状は患者にとってつらく,苦しいものであり,病態の適切な評価を妨げる原因となり,適切ながん医療が行われない可能性も含んでいる.家族にとっても精神症状を抱えた患者と対応することは苦痛になる.したがって,疼痛などと同様に早急に対応すべき病態であるともいえる.しかし,これらの患者のうち,実際に治療を受けている患者は多いとはいえない.その原因として,がん治療が行われている病院に精神科医が不在で相談ができないこと,がん医療における精神症状ががんそのものの症状と混同されてしまい,見逃されてしまうことなどが挙げられる.
 それではどうすればよいのであろうか.がん医療における精神医療を専門に行う精神腫瘍医の数は多くはなく,日本サイコオンコロジー学会などで若手医師の養成などが懸命に行われているが,多くの病院に配置されるようになるまではある程度の時間がかかる.しかし,あきらめる必要はない.意識の高い皆で学び,精神疾患に対する学びを深めていくことで,患者さんの不安と抑うつに対応することができるようになる.
 精神症状は身体症状と同様につらく,苦しいものであること,早急に対応することが患者さんの苦しみを取り去り,尊厳を取り戻すものであることを念頭にいれて精神症状を学んでいただきたい.
本特集では,わが国における精神腫瘍学に精通している方々に執筆をお願いした.皆様のお役に立てば幸いである

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目次

〔特集〕いかに精神症状に対応するか―適応障害とうつ病を中心に

特集にあたって
なぜ精神症状への対応が必要なのか
適応障害の理解とケア
 がん医療における適応障害と精神療法
 適応障害患者に対する心理療法
 適応障害患者への看護
うつ病の理解とケア
 がん医療におけるうつ病
 うつ病に対する薬物療法
 うつ病に対する精神療法
 非精神科医の立場からうつ病に気づくこと
 抑うつ状態のがん患者へのケア
気をつけたい精神症状-紛らわしい病態について

ショートレビュー
 がん医療における適応障害とうつ病―薬物療法と包括的介入

らしんばん
 その時々の立場から伝えたいこと―立場を変えてみて
在宅ホスピス物語19
 ケアの力―ケララで学んだこと
いのちの歌
 新たなチャレンジ
R E P O R T
 第23 回がん看護学会
コミュニケーション広場
 がん患者と家族のためのサポートグループ
 「がんを知って歩む会」に参加して
海外事情
 より良い緩和ケア環境の確立のために何が必要か
 ―オーストラリア・ビクトリア州の例から考える
現場で使える臨床心理の見方9
 息づかいとしてのスピリチュアリティ
カンファレンスから学ぶ緩和ケア2
 緩和ケアチームにおけるカンファレンスの実際
 ―済生会横浜市南部病院の場合
緩和ケア―日常業務の知恵17
 症状緩和(3):疼痛①
視  点
 緩和ケア医療を中心とした,地域連携ネットワークシステムの
 構築(1)―問題の背景
原  著
 在宅医療専門機関を利用した末期がん患者の在宅終末期医療の
 特徴と介護者(遺族)による評価

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