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200038
Vol.19 No.4

緩和ケア 2009年7月号

緩和ケアにおける社会的痛みとそのケア

 緩和ケアにおける「全人的痛み」は4 つの側面から捉えられる.そのひとつである“社会的痛み”の理解とケアのあり方については,臨床現場において直接的に医療者が関わることが少なく,これまで専門誌などでもあまり取り上げられていない.しかし,がん治療の過程において診断を受けて間もない時期や治療の継続などの経過を問わず,生活の視点(生活モデル)からみた患者・家族の抱える社会的な問題は個別的であり,身体的・精神的・スピリチュアルなそれぞれの痛みとの関連性も強い.また,これまでの生活体験や尊重してきた価値観によって患者・家族のコミュニケーションスタイルやコーピングスタイルが成立し,それを理解し対応することから,社会的痛みのアセスメントが可能となる.さらにこれらのプロセスを経て,痛みの軽減に向けたエンパワメントや専門的支援の介入が実践できる.
 本特集では,社会的痛みの概念や位置づけ,それぞれの他の痛みとの関連を示すとともに,社会的痛みの実際とそのケアについて述べる.また,入院生活は本来の生活と異なり病院という特殊な環境そのものが社会的痛みを憎悪する一因子になっているのではないかという点や,家庭や職場,地域といった帰属先・所属先との関係性の中で生じる点,経済的側面から生じる点,患者の自己決定の保障や代理決定を保証する点から社会的痛みを解説する.さらに,一般病院でできる情報収集・アセスメントに基づく社会的痛みのケアや退院後にできる社会参加・家庭内での役割回復などの社会的痛みのケアについてその実際と方法について述べる.最後に,社会的痛みに関わる「ケアギバー」である私たち自身のケアの必要性について示唆を得たい.
 全人的痛みへのケアの実践をすすめる臨床現場において,さらに患者・家族のQOL と満足度が向上する一助になれば幸いである.

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目次

〔特集〕緩和ケアにおける社会的痛みとそのケア

特集にあたって
社会的痛みとは何か
生活から捉えた社会的痛みとケア
入院という社会的痛み
家庭の中にある社会的痛み
職場・地域との接点と社会的痛み
経済的側面からみた社会的痛みの理解
社会的痛みに対する権利擁護
社会的痛みのケア
病院でできること
退院後にできること
緩和ケアでの社会的痛みとメンタルヘルスの実践

ショートレビュー
緩和ケアにおける社会的痛みへのまなざし

〔特別収録〕

〔連載〕

らしんばん
 「緩和ケア」という言葉,「緩和ケア」の精神
在宅ホスピス物語20
 在宅ホスピスはススメない!
いのちの歌
 定額給付金
R E P O R T
 Live Deep ―子どものホスピス“ヘレン・ダグラスハウス”講演会
コミュニケーション広場
 「訪問看護e-ラーニング」のご紹介
海外事情
 ウィニペグ緩和ケアプログラムに参加して
現場で使える臨床心理の見方10
 人の関わりを通して展開する心理療法
緩和ケア―日常業務の知恵18
 症状緩和(4):疼痛②
カンファレンスから学ぶ緩和ケア3
 緩和ケア病棟におけるカンファレンスの実際
 ―東札幌病院の場合-
視  点
 緩和ケア診療所(palliative care clinic;PCC)を中心とした
 地域連携ネットワークシステムの構築(2)
症例報告
 緩和ケアにおける頭蓋内病変による頭痛への
 オピオイド使用についての考察

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