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200054
Vol.21 No.5

緩和ケア 2011年9月号

患者の語りがケアを紡ぐ

がん対策推進基本計画の実施により,すべてのがん患者が全国どこでもがんに関して「相談」ができ,
専門職による「回答」が得られる,という政府や医療者視点の相談支援はおおむね整備された.しかし,
日々臨床で出会う患者の悩みは途切れることなく続いている.患者の語りに耳を傾けながら,本当に患
者は専門職による問題解決を求めているのだろうか,と自問することは決して少なくはない.
では,患者が語ることの意味はどこにあるのだろうか.患者は自らの語りに対して必ずしも誰かの答
えを求めているのではない.語りを通して自分自身と向き合い,自分の中でまだ形にならない思いに輪
郭を与えて,整理したり,病いの意味を見出したりしているのではないだろうか.
こうした患者の語りの中には,医療者が臨床において活用すべきこと,ケアとしてできることのヒン
トがたくさんうずもれており,患者の思いに沿ったケアを創り出していくうえでの知恵の宝庫ともいえ
る.そういったことに医療者が気づかずに語りが消えていくことは,医療者にとっては学びの機会が失
われることであり,患者にとっては伝えたい思いが伝わらないことである.また,医療者の関わりは,
ケアの大きな部分を占めてはいるが,それ以外にも支えている人やものがたくさん存在する.そのよう
な医療者以外の要素(患者同士の支え合い,患者を取り巻く世界,一般の人々など)も,語りの力によ
って育まれており,そこから医療者は学ぶ必要がある.
そこで本特集では,患者の語りとメッセージを受けとめ,ケアや支援につなげていく手がかりを,さ
まざまな観点から示し,医療者に伝えていきたい.具体的には,執筆者の方々には,それぞれの視点か
らの患者の体験や語りを記述していただき,語りがもつ力を伝えていただいた.また,読者の方々には,
語りに目を注ぐことの大切さと意味を感じとっていただきたいと願っている.

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バックナンバー

目次

〔特集〕患者の語りがケアを紡ぐ

特集にあたって
患者の語りからみえるもの
患者の語りが医療を変える
患者体験からみえるケア
 在宅緩和ケアの原点に戻る
 医療者としてのケアをみつめ直す
 語ることと,書くことと
 ふたりにひとり,誰もががんになる時代に思うこと
患者会の活動からみえるもの
 遺族が医療者に期待する共感的理解
 患者は患者の情報を求める
患者・家族の支援に活かす活動
 「生の声」を活かした情報支援
 ―「web 版がんよろず相談Q&A サイト」による情報提供
 がん患者・家族の想いを支える「がんサロン」
 〈語り〉の中からセルフケア力を引き出す活動

ショートレビュー
 「病い体験」を研究する― DIPEx の質的データに
 基づく学術論文のレビュー

らしんばん
 病院・保険薬局という異なる立場で経験した全療養期の服薬ケアを通して
コミュニケーション広場
 いま,ここを,どう生きるか
 ―青山俊薫先生の講演会を開催して
海外事情
 サンフランシスコのホスピス事情1― VITAS を中心に
R E P O R T
 第19 回日本ホスピス・在宅ケア研究会
 第16 回日本緩和医療学会
架 け 橋
 緩和ケア×哲学2
緩和ケアチームはその時,どう動いたか?4
 持続的な深い鎮静のタイミング
医療コミュニケーションの“コツ”5
 痛みが強くなったらどうしよう

〔投 稿〕

原  著
 在宅死亡したがん患者の遺族による退院前カンファレンス・ 退院前訪問の評価
 「生活のしやすさ質問票第3 版」を用いた外来化学療法患者の症状頻度・ニードおよび専門サービス相談希望の調査
症例報告
 若年成人女性のノーマルグリーフから回復過程を振り返る
 ―本人主体の遺族支援

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